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2012国際協同組合年〜明日を拓く協同組合〜第1回(「協同」4月号掲載)
なぜ今「国際協同組合年」か

2012.05.09

3年前、私の友人が彼の友人のフィリピン人Kさんを連れて来て、私に協同組合について質問を受けた時、私もフィリピンの農村の現状について説明をしてもらいました。
その時の話です。


フィリピンには日本のような農協がありませんから、農薬や耕作機械など耕作のための資材などの購入分野は、彼らの言う国際資本(外国の資本)に支配されているのが現状だそうです。農民は貧しいために、それらの資材の購入のためには、国際資本から資金を借りて耕作をし、生産物を売った代金でその借金を返済することになります。農民は国際資本の利益のための道具になっています。農民は自分たちの生産したものから出る利益を自分たちの物に出来ず、国際資本がその利益を吸い取っています。


日本には農協があるので、農民の作った利益は農協に蓄えられ、それが農民のために使われる仕組みになっていますが、フィリピンでは、いつまでたっても、農民は貧しいままで貧しさから抜け出せないという事でした。アフリカでも、一部の資本が貧しい農民を経済的に支配し、農民は貧しさから抜け出せないのが現状です。


国連が今年を「国際協同組合年」に定めたのは、これまでの世界の協同組合の貢献を評価し、アジアやアフリカの貧しい人たちを救うために、協同組合の制度をこれらの国に広めなければ解決出来ないと考えたからでしょう。


私たちは、協同組合があるのが当然の日本にいるので、あまり協同組合のありがたさを感じていないのかもしれません。この機会にもう一度、協同組合の事を考えてみませんか。

写真提供:アラン・クレデラ



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